羽黒百寿会は昭和63年に設立した社会福祉法人です。高齢者福祉(介護保険)事業、児童福祉事業等の福祉サービスを提供しています。平成27年にはユニット型特別養護老人ホームを開設するなど事業を拡大。地域に根ざした法人運営を行っています。
「笑顔で、すこやかに暮らせる福祉の郷羽黒」を理念に、時代の要請に応え、幸せに暮らせる社会福祉づくりのために法人の公益性及び公共性を堅持し、地域との共生を目指します。

Q.働きやすい職場づくりを始めたきっかけを教えてください
平成30年度に介護職の新規学卒者を採用してから、令和6年度まで新卒の応募がない状況が続いているため、もっと興味を持ってもらえるように取組みを始めました。介護業界では2040年問題があり、厚労省の推計では57万人の介護士が不足すると示されています。当法人でも早急に対策に取り組み、他業種に負けないよう積極的な採用活動(特に新規学卒獲得)や、途中離職なく長く働き続けられる職場環境をつくろうと考えました。
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(インタビューに答えてくださった総務部長の伊藤真弓さん)
Q.認定項目のうち、特に力を入れている項目はありますか
特に「安心して働ける風土づくり」に力を入れています。
職員一人ひとりが気持ちよく働ける環境を整えたいという思いは強いものの、当法人には介護、保育所合わせて200人を超える職員が在籍しているため、現状を把握するための個人面談等を設けることは難しい状況でした。そこで、年1回、パートを含む全職員から業務の提案や困りごと、人間関係の悩み等自由記載で申告書(回答書)を出してもらうという取組みを行っています。
回答書には子育て、介護等個々の家庭状況や、夜勤が多く体力的に辛くなってきたなどの現状が書かれており、業務改善に努めつつ、配置換えにおいても配慮するようにしました。また、上司に言いにくい悩み等は衛生管理者が面談し解決を図っています。
普段思っていることをダイレクトに常務理事へ伝えることとなり、各々の想いや提案を吸い上げ風通しの良い職場風土への一歩としたいです。
Q.そのほかに取り組まれている内容を教えてください
次の取組みを行っています
・令和6年4月に事務職種にフレックスタイム勤務を導入
・年次有給休暇(正職員4月採用の場合)入職と同時に20日付与
・業務外の疾病で最長90日間の病気休暇を付与
・雇用形態に関係なく最長10日間の忌引き休暇、介護休暇、子の看護休暇を付与
・資格取得にかかる研修受講費及び受験費用を全額助成(受験費用は2回まで)。
平成30年以降、介護福祉士実務者研修を17名が受講し、全員が介護福祉士
試験に合格。うち契約職員だった者は正規職員へ登用
上記のほか、以前から扶養手当や家賃補助など手厚い福利厚生となっていますが、給与面での処遇改善にも力を入れています(給与表の改正、賞与月数を4.8か月に引き上げ、処遇改善手当を全職員へ支給など)。また、働きやすい職場環境で一番大切な部分は「良好な人間関係」にあるため、パワハラ的な発言は見逃さず対処し、皆が気持ちよく助け合いながら働ける職場となるよう、人事管理部門(総務)と各事業所管理者が状況を共有し、離職防止に努めています。
Q.働きやすい職場づくりに取り組んでみて、どんな効果がありましたか
病気休暇を取得した職員から「有休が残り少ない状況で新型コロナにり患してしまったが、収入面を心配せずにじっくり療養できた」との声や介護休暇や子の看護休暇を取得した職員からは「気持ちに余裕をもって働くことができている」との声がありました。また、フレックスタイム勤務も育児と仕事が両立しやすいと好評です。
当法人では令和2年に職員紹介制度を始め、福祉に興味のある友達やご近所の方、職員家族の友人知人等、紹介から入社につながるケースがありました。
働きやすい職場環境を整えることで「自分の職場が大好き」という職員が増え、周りの人に自慢してくれるようになったらうれしいです。
Q.これからどんな会社にしていきたいですか
この度、ダイヤモンドスマイル企業の認定を受けることができたのは、これまで職場環境の改善に一歩一歩取り組んできた成果だと感じています。仕事とプライベートの両立ができ、生き生きとやりがいをもって働ける魅力ある組織でありたいと考えています。今後も職員が自分の仕事に誇りを持ち、心身共に健康で長く働いてくれるような環境をつくっていきたいです。
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(イキイキと働く職員の皆さん)